みなさんご存じの四十肩、五十肩の話です。
よく患者様に聞かれるのが、「四十肩と五十肩ってどう違うの?」「なんで四十肩になるの?」「夜中に痛くなるのはなんで?」というようなことです。
四十肩も五十肩は同じもので、正確には『肩関節周囲炎』という病名です。
英語では「frozen shoulder」と言います。凍結肩・・・つまり凍ったように固まってしまった肩ってことです。古い文献によると、日本でも昔から「五十腕」とも言われ、長命病といわれてきました。昔は医療技術も乏しく、人間50年なんて言われた時代もありますから、五十肩になるほど長生きしたんだということでした。
主に40~50歳頃に原因不明で動かなくなるので、俗に四十肩、五十肩と言います。
私の先輩は27歳頃に同じ症状になり「二十肩だ(笑)」とおどけていました。
原因不明と言いましたが、実はそれなりに原因は予想できます。
①何らかの原因で痛めた肩(動かすと痛む肩)を自然と使わないようにしているうちに動かなくなってしまった。
②何らかの原因で痛めた肩を無理に動かしすぎて悪化させ、関節内で石灰沈着させてしまった。
③使わなすぎ(動かさなすぎ)
痛めた場合、負傷後早期から必要な治療を受け、回復に伴って運動療法を徐々に(←これ大事)開始することで予防できます。無理に運動療法をしすぎると、②の石灰沈着になりかねません。石灰沈着までおこすとなかなか厄介です。
石灰沈着は、実際には病院でCTや超音波を使用して検査するとはっきりしますが、圧痛部位や肩の運動を見ておおよそわかります。
③使わなすぎで動かなくなる場合もあります。
その場合、あまり普段使わない利き手と逆の肩がなることが多いです。
身体が固い人(柔軟性が低い)、事務仕事など、特に身体を動かす仕事の少ない人もなりやすいです。
一般に数カ月から約2年くらいで自然治癒するといわれますが、早く治したいのはみな同じですし、思うように動かないのは本当にもどかしいです。
それに、その2年間患った方の追跡調査によると、 「40~50%が程度に差はあれど何かしらの症状(運動制限・痛み)などが残っている」のだそうです。
「夜間痛」といって、夜中になると痛くなる症状もしんどいです。
「夜間痛」はなかなか消えにくい症状ですが、理学療法で改善させる方法はあります。
治療した方がいいですよね。
当院では動きの改善、夜間痛を軽減させる為の手技療法や運動療法、電気療法、超音波療法等、理学的な治療法を行っています。個々の症状に合わせて治療法を構成します。
無理やり動かしたり、ボキボキ鳴らすといった治療は行っていません。心地よい刺激がある程度で改善していきますので安心してご来院ください。
治療はこじらす前に始めた方が回復も早いです。
夜中に痛くなる「夜間痛」の原因についてはまた別途。